下肢静脈瘤に対する手術(グルー治療、ラジオ派焼灼術、不全穿通枝切離術)CARDIOVASCULAR
下肢静脈瘤とは
足は第二の心臓と呼ばれています。心臓から送り出された血液は動脈を通じて全身の隅々まで送られて、栄養を運びます。その後、静脈を通じて心臓まで戻ってきますが、足の筋肉が第二の心臓となって、血液を心臓まで押し上げてくれます。
押し上げられた血液重力で、また足に戻ってこないように、静脈の中には一方通行弁が存在します。この弁が何らかの原因で壊れてしまうと、血液の逆流がおきて、血液の渋滞が起きます。そうすると静脈は徐々に膨らんで蛇行して容積を膨らませていき、静脈が瘤のように膨らんでくるのです。
寿司屋さん、板前さん、蕎麦屋さん、美容師さん、レジ、教師など立ち仕事が中心となる方々に多いとされています。
静脈瘤が進行すると、足のだるさ、むくみ、かゆみ、痛み、夜間のこむらがえりなどの症状が出てくることがあります。症状がある方や、美容面で希望される方には手術を行っております。現在、当院で行っている手術は日帰り入院と1泊2日入院の2通りがあります。
接着剤による治療法
2019年12月から保険適応になった新しい治療法です。
現在は9割の方がこの治療法で行っています。
膨らんだ血管に瞬間接着剤を注入して血管を塞ぐ治療です。 針を刺す部分だけに麻酔を打つだけですので、少量の麻酔で行えます。 熱を発しないので周囲組織の火傷や神経損傷が少なく、術後に包帯やストッキングで圧迫する必要がありません。
接着剤のアレルギーが出ることがあり、アレルギー体質の方は適応外です。目立つコブがある時は、後日注射を追加することもあります。
レーザー(ラジオ波)による治療法
カテーテルを刺して血管の中から高周波(ラジオ波)で血管を焼く治療法です。現在は巨大な静脈瘤で接着剤が不可能な方に行っています。
高位結紮+硬化療法
静脈瘤に注射をして血管を固める硬化療法、血管の一部を糸でしばる高位結紮、静脈瘤を小さな傷で切除するstab avulsionなどを組み合わせて、局所麻酔で行います。
手術の時間は程度によりますが20-60分程度です。
現在は接着剤やレーザーが不可能な方、もしくは再発性の静脈瘤に対して行うのみです。
内視鏡による治療
内視鏡下筋膜下不全穿通枝切離術Subfascial Endoscopic Perforator Surgery(SEPS)
難治性の下肢の潰瘍の原因の一つに不全穿通枝による静脈うっ滞があります。
下肢の潰瘍に対して長年、軟膏を塗っているけど一向に良くならない方は静脈瘤が原因の可能性もあります。
当院ではそうした静脈性の潰瘍に対しても、手術を含めた治療を行っています。