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松本協立病院

社会医療法人 中信勤労者医療協会 松本協立病院
〒390-8505 長野県松本市巾上9-26
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入れ歯についてDENTISTRY 2022年7月28日

口腔衛生や医学の進歩、生活背景の向上などにより、私たちの口腔内の環境も著しく向上してきました。それでも、加齢と共に1本また1本と損失する歯が増えてきます。歯の欠損に対しては、入れ歯(義歯)やブリッジ・インプラント(人工歯根)などの方法で補います。

大別すると総義歯と部分床義歯

入れ歯は、全く歯のない顎に入れる総義歯と、残っている歯に金属のバネ(クラスプ)をかけて維持するタイプの部分床義歯の2種類に大別することができます。

欠損している部分が大きくても、例え1本も歯が残っていなくても入れ歯を入れることができます。反面、違和感が大きく不慮にはずれるなど欠点も持っています。

利点

  • 全ての欠損に対して義歯を入れることが出来る。
  • 新たに歯を抜いたり、入れ歯が壊れたときなどでも修理が可能。
  • 一部の特殊なものを除き保険も効く。
  • 取り外して清掃することが出来る。
  • アレルギーの危険性がほとんどない。
  • 健康な歯を削る必要がない。

欠点

  • 違和感がある。噛んだ時に痛かったり、吐きっぽく感じることがある。
  • 物を噛む力が弱い。
  • 安定が悪く、外れやすい時がある。
  • 出し入れや手入れが面倒に感じる。

などが挙げられます。

保険がきかない義歯の代表的なものは金属床義歯です。

保険の効かない義歯の代表的なものが金属床義歯です。これは、ピンク色の床の部分を合成樹脂ではなく、薄い金属に置き換えたもので、軽く違和感が少ないのが特徴です。装着感がよいので咀嚼、発音に優れ、また熱を通しやすいのでお食事も美味しく感じられるという利点があります。

反面、保険外診療となりますので、歯科医院により料金の設定がまちまちで、思わぬ高額となることがあります。また、修理が困難という欠点もあり、選択の際にはかかりつけの歯科医院で十分相談することをおすすめします。

義歯のお手入れは

義歯のお手入れ

入れ歯は流水下で洗いましょう。
熱湯につけるのは禁物です。

夜寝る時は、

  1. はずして、乾燥をさけるため水の中に入れておきましょう。
  2. その際、ブラシをあてて清掃し、磨くことも大切です。普通のブラシでもよいですが、専用の義歯清掃ブラシを使用する方が効果的です。
  3. 市販の洗浄剤を使用するのも効果的です。入れ歯に付着する菌や着色を効果的に落とすことができます。いろいろなメーカーから発売されていますので、歯科医院で相談してください。

合わない入れ歯にならないために

  1. 入れ歯の寿命はどれぐらい?
    大体入れ歯の寿命は、3~5年くらいがメドとされています。それも定期的に調整して5年くらいです。 20年、30年と長期に使用し、いよいよ使えなくなって歯科に来る方もいますが、口の中の状態が変化して、虫歯や歯周病がひどくなったり歯茎が減ってきたり噛みあわせが狂ったりしています。入れ歯を作り変える前に、それらの問題を解決してから始めることになるので、時間もかかります。また、古い入れ歯による噛み癖もついてしまっているので、新しい入れ歯を作るのが難しくなってしまいます。
  2. 入れ歯の手入れは十分に
    入れ歯は、作ってから6ヶ月経過すると、健康保険を使って新しく作り変えることができます。 個人にあった入れ歯の取り扱いや食事の仕方、洗い方などは、診察時に必ず教わり、きちんと実行してみてください。入れ歯の装着後には、義足などと同様に噛み方や口の動かし方などのリハビリが必要です。
  3. 満足する基準を持つこと
    歯がなくなると、部位にもよりますが、かむ力はかなり減ってしまいます。入れ歯を入れたとしても元の自分の力までは回復しません。硬めの物が好きで食べていた人は、今までどおりの食事は食べられず「入れ歯が合わない」と思うこともあります。 入れ歯を入れた時には、自分の満足度の基準をどの程度にするのかが大切です。

保険で良い入れ歯が作れる制度に

入れ歯ができるまでには、型を取ることから始まり、完成までには簡単な入れ歯でも20種類以上の材料や道具を使います。出来上がってから何度も必要な調整を繰り返します。歯科医師などの人件費を含めると赤字になってしまうのが現実です。この間の診療報酬改定でさらに調整料などに制限が加えられました。これでは保険で良い材質、優れた技術を使った入れ歯を提供することがますます困難になってしまいます。政府の歯科医療軽視の政策を根本から変えることが必要です。

入れ歯は、一人一人の顎の形にあわせ専門医が作製・調整するものです。例え、痛みがあったり気に入らないことがあっても、自分の判断で削ったり、あきらめたりせずに歯科医院に相談しましょう。

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