プログラムの概要OUTLINE
研修目標
- すべての医師に求められる基本的な診療に必要な知識、技能、態度を身につけ、入院、外来、救急から在宅、保健予防活動まで幅広く担える基礎能力を養う。
- 患者に限らず、地域に暮らす住民やチーム医療のパートナーとしてのコメディカルと民主的な協力・共同の医療を行い、安全で質の高い医療を提供できる能力を身につける。
- プライマリ・ケアから高度専門医療まで一貫した診療にあたり、かつ他の医療機関と適切に連携して医療を提供する中で、医師が地域の中で果たす役割について学ぶ。
多彩な指導医に、マンツーマンで学ぶ
研修指導体制は、屋根瓦方式を基本に、マンツーマンの要素を取り入れています。概ね3~5年目の上級医が直接の相談役となり、7年以上の臨床経験を持つ医師が指導医となります。2名の研修医とそれに対応する2名のスタッフ医師でチームを作り診療に当たります。
2年目研修医は、7年以上の臨床経験を持つ指導医を配置します。指導医は研修指導に集中できるよう、業務上の保障を行っています。
プログラムの概要
4月から7月の内科研修は導入期研修として、研修医全員が総合診療科で行う。
必修研修は、救急、外科、小児科、産婦人科、精神科となっている。
選択研修は、内科、救急外科、小児科、産婦人科、精神科、脳神経外科、整形外科を選択可能。
協力型病院
長野中央病院、健和会病院、松本市立病院、城西病院、信州大学医学部付属病院
協力施設
一之瀬脳神経外科病院、塩尻協立病院、諏訪共立病院、上伊那生協病院、飯田中央診療所
研修プログラム例
1年目 | 2年目 | |
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4月 | オリエンテーション | 小児科 |
5月 | 総合診療科(導入期) | |
6月 | 産婦人科
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7月 | 精神科
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8月 | 消化器内科 | |
9月 |
救急・循環器 |
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10月 | 整形外科
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11月 | ||
12月 | 放射線科 | リハビリ・神経内科
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1月 | 外科 | |
2月 | ||
3月 | 地域医療
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※研修医ごとに、順序は変わることもある
長野県民主医療機関連合会
松本協立病院/長野中央病院/上田生協診療所/塩尻協立病院/諏訪共立病院/上伊那生協病院/健和会病院
研修医の週間スケジュールの一例
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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朝 | Drカンファレンス | 輪読会 | 心電図学習会 内視鏡 カンファレンス |
Drカンファレンス 回診 |
輪読会 | |
午前 | 病棟/回診 | 病棟 カンファレンス 回診 |
内視鏡 | 病棟 | 外来 | 研修医TVCC 病棟/外来 |
昼 | 指導医レクチャー | 指導医レクチャー | 昼救急外来 指導医レクチャー |
呼吸器 カンファレンス |
指導医レクチャー | |
午後 | 医局会議/医局CC 病棟 |
外来 | 総合診療科 カンファレンス 病棟 |
病棟 カンファレンス 病棟 |
病棟/回診 | |
夕 | グラム染色 読影会 |
救急症例 カンファレンス |
「学び」の多い主治医研修システム
当院では研修開始から主治医として患者さんを担当することを主としています。主治医として責任が大きい分、治療についてより真剣に考え、深く学ぶことが多く、その結果についても大きな喜びを得たり、深く心に刻む教訓を得たりと、1つ1つの症例が自分自身の成長に直結すると感じています。
もちろん大変ではあるけれど、難しい症例は専門医にコンサルトしたり、他院に紹介したりといった、マネージメント力も身につけられます。多くの経験を身と心に刻み込む、この制度はなかなかいいと実感しています。
~研修医の感想より~
最初の6か月間で主治医として受け持つ疾患(例)
年齢/性別 | 主訴 | 診断 | |
---|---|---|---|
1 | 54/M | CAPD導入目的 | 糖尿病性慢性腎不全 |
2 | 71/F | 不明熱、下肢脱力 | ANCA関連血管炎 |
3 | 64/F | 慢性下痢、下血 | 感染性腸炎 |
4 | 72/M | 発熱、咳 | 急性気管支肺炎 |
5 | 79/F | 膝・肩・指関節痛 | RA |
6 | 80/F | 痢、下血、腹痛 | 感染性・虚血性腸炎 |
7 | 79/M | 吐き気、下血 | 高K血症、胃潰瘍 |
8 | 80/M | 悪寒、ふるえ、下痢 | 急性肝障害 |
9 | 83/F | 左下腹部の疼痛 | 胃潰瘍、感染性腸炎 |
10 | 85/F | 貧血 | 血、MDS |
11 | 79/F | 全身の筋痛 | 甲状腺機能低下症、クリオグロブリン血症 |
12 | 72/M | 右下腿の疼痛・腫脹 | 右下腿蜂窩織炎 |
13 | 34/M | 発熱 | HIV、粟粒結核 |
14 | 57/M | 体重減少、多飲 | Ⅱ型糖尿病 |
15 | 76/M | 両足疼痛、四肢痺れ | 両足外顆潰瘍、RA |
16 | 94/M | 食思不振 | 進行胃癌 |
17 | 82/M | 全身倦怠感、貧血 | AML(M4) |
18 | 87/F | 嘔吐、発熱 | 急性腎盂腎炎 |
19 | 39/F | 蛋白尿、潜血 | 慢性腎炎 |
20 | 34/M | 口渇、多飲 | Ⅱ型糖尿病 |
21 | 22/F | 関節痛、皮疹 | 結節性紅斑 |
22 | 85/F | 立ちくらみ | 鉄欠乏貧血 |
23 | 47/M | 腹痛・嘔吐 | 慢性膵炎急性増悪 |
24 | 21/M | 浮腫・倦怠感 | リポイドネフローゼ |
25 | 45/F | 発熱・側背部痛 | 急性腎盂腎炎 |
26 | 60/M | 透析導入目的 | 慢性腎不全 |