無料低額診療制度TOPICS
だれもが医療を受ける権利があります
中信勤労者医療協会は、1973年の設立以来「いつでも どこでも だれもが安心してかかれる医療」をめざし「お金のあるなしで命を差別しない」姿勢をつらぬいてきました。
「無料低額診療制度」は、社会福祉法にもとづき、生活困難な方が、経済的な理由によって必要な医療を受ける機会を制限されないよう、無料または低額で医療を行う制度です。
また、この制度を通して様々な社会保障制度を活用する事で、健康と生活の両面での回復をめざします。
無料低額診療事業は「社会的処方」
「社会的処方」とは、孤独や社会的孤立、貧困といった生活課題を抱えている患者さんに、医療従事者等が面談を通じて、健康とWell-being(身体的・精神的・社会的に良好な状態にあること)につながる可能性をともに探り、支援を行う事です。
必要な医療・介護につなぎ、人との関わりをつなぎ、消えかけていた人びとの生命・生活の灯を明日へつないでいくこと。当法人の無料低額診療事業は、開始当初から医療や介護、生活再建のための福祉制度等に「つなぐこと」に重点を置いてきました。
無料低額診療事業を実施する医療機関として、「社会的処方」の意義を最大限発揮できるよう、今後も取り組みを行ってまいります。
このような場合にご相談ください
-
保険証を持っていない。
-
「医療費が支払えないから」と、病院にいくことをためらっている。
-
収入がなくなり、医療費を払えない。
-
ホームレスの人が健康を害しているのを発見した。
「無料低額診療制度」には適用基準があります。
しかし、適用とならなかった場合でも、医療費の支払いのほか、当面の生活などについて、ご一緒に打開の道をさがすご相談に応じています。
他の公的な社会保障制度の適用が可能な場合は、その手続きをお勧めする事もあります。
「無料低額診療制度」を利用するには
まずは治療をはじめます。
当院では、制度利用の可否にかかわらず、診療を行い、必要な治療を開始します。
制度がりようできるか心配かと思いますが、まず、治療を受けて健康回復のスタートをすることが大切です。
安心して受診してください。
無料低額診療制度が適応される場合
審査基準に基づき窓口での支払いが減額または免除になります。
減免対象にならないもの
-
松本協立病院と塩尻協立病院以外の医療機関の一部負担金
-
保険調剤薬局や介護保険サービスの一部負担金
-
入院にあたって外部業者と契約した病衣・オムツ等の利用サービスの料金
自費料金の減免について
一部減免の対象とならない項目があります。
減免対象:直近の医療上で必要と判断される項目、公的制度申請や就労支援、退院支援に関する項目 等
減免対象外:民間の任意保険請求に必要な書類代、直近の医療上必要ないと判断される予防接種等の自費診療の料金 等
期間
原則として6ヶ月です。
詳しくは相談担当者にご確認ください。
承認状況
入院 | 外来 | 自費分 | 合計 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
件数 | 減免額 | 件数 | 減免額 | 減免額 | 減免額合計 | |
2017年度 | 2 | ¥116,367 | 5 | ¥103,555 | – | ¥219,922 |
2018年度 | 8 | ¥320,176 | 25 | ¥255,150 | – | ¥574,034 |
2019年度 | 6 | ¥290,340 | 55 | ¥436,860 | – | ¥727,200 |
2020年度 | 17 | ¥690,870 | 32 | ¥365,280 | ¥22,457 | ¥1,078,607 |
2021年度 | 63 | ¥3,308,329 | 202 | ¥1,638,960 | ¥215,299 | ¥5,162,588 |
2022年度 | 22 | ¥1,141,401 | 112 | ¥1,064,870 | ¥72,044 | ¥2,278,315 |
申請事例
相談事例の一部をご紹介します。
事例1
70歳代の独居男性の事例です。
2020年春頃まで生活保護を受給されていましたが、年金額が上がった事によって生活保護受給ラインをギリギリ上回ったことによって生活保護が廃止となってしまいました。
糖尿病でインスリン療法を行っているため毎月1万円を超える医療費の支払いが発生し、生活保護受給中よりも生活が厳しくなっていました。
初回相談の直前に年金の支給がありましたが、家賃等の支払いによって受診時には手持ちが数千円しか残っていない状況になっていました。
生活の立て直し及び公的制度適用の可能性を探る事を目的として無料低額診療事業の申請に至りました。
制度申請後に精査を進めて、糖尿病神経障害による下肢の機能障害として身体障がい者手帳を取得されました。
事例2
60歳代の独居男性の事例です。
新聞の営業職に従事していましたが、コロナ禍の影響により20万円/月程度だった収入が5万円/月に減少してしまいました。
民間の生命保険に加入されていましたが、支払い不能となり契約解除になってしまいました。
病院と薬局の窓口負担金の支払いも滞るようになって、本制度の利用が可能かを相談するために来院されました。
経済的理由による受診中断の可能性があるため、治療継続を目的として申請に至りました。
事例3
70歳代女性の事例です。
年金と飲食店収入で生計を立てていましたが、コロナ禍の影響によって客足が途絶え、生活困窮に陥りました。
主治医から入院治療を勧められましたが、経済的な理由で保留となっていました。
外来受診日に経済的困難事例として主治医より介入依頼があり申請に至りました。
制度申請後に精査を進めています。